無慈悲な攻撃の矛先は…

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北朝鮮ナンバー2の壮絶解任で内部対立の懸念



(2013年12月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)第1書記は、故金正日総書記の葬儀の際、旧政権を代表する7人の
年長者を伴って父親である総書記のひつぎを護衛していた。



あれから2年。一緒にひつぎに寄り添った最高幹部7人のうち5人が「1950年代後半以来の北朝鮮の幹部
大粛清」(韓国情報筋)の犠牲者となった。さらに、葬儀で正恩氏のすぐ後ろを歩いていた叔父の張成沢
チャン・ソンテク)国防副委員長の壮絶な解任劇は、自らの権力に対する脅威を排除しようする若き
リーダー正恩氏の一連の粛清による最たる犠牲者が同氏であったことを示している。



張氏は正恩氏に対して最も大きな影響力を持つ後見人で、経験の浅い正恩氏の政策決定を主導してきた。
だが先週、韓国の情報機関によって同氏が失脚した可能性があると伝わると、週明けの9日には北朝鮮
国営メディアが、朝鮮労働党中央委員会の会議場内で逮捕・連行される張氏の衝撃的な映像を放送。
事実が裏付けられることとなった。



■前例のない公然の非難

 

北朝鮮朝鮮中央通信社は「異常な政治理念の持ち主で、極めて怠惰でだらしない」張氏は「ふしだらで
堕落した生活」を送っていたと伝え、ギャンブルや女性問題、薬物乱用問題でも同氏を批判した。

 

同通信社はさらに、正恩氏が議長を務めた8日の朝鮮労働党中央委員会政治局拡大会議で、張氏は全ての
職務を解かれたとも報じた。

 

張氏への批判の焦点はプライベート面よりも「派閥主義」への関与となっている。
正恩氏の命令に背いて経済政策での権限を大きく拡大し、自らの政治支持基盤の構築を図ったとされる。

 

朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」一面に掲載された批判記事も含め、張氏への公然の非難は前例がない。
韓国・国民大学のアンドレイ・ランコフ教授は、これには正恩氏の権力を誇示する狙いがあるようだと指摘する。



ランコフ教授は「北朝鮮では、50年代後半以降の粛清は全て秘密裏に行われてきた。高官はただ姿を消す
だけで、もはや名前が上ることはなかった。官僚は(失脚した高官の)犯罪容疑について簡単な報告を受
けたが、これが一般市民に明らかにされることは一度もなかった」と指摘。
さらに、支配体制トップでの激しい対立を露呈することになるため、北朝鮮市民に今回の一件を明らかにする
決断にはリスクもあったとの見方も示した。



■正恩氏が幹部の世代交代に着手か

 

70年代初めに正日氏の妹の金慶喜キム・ギョンヒ)氏と結婚したことで出世街道に乗った張氏のキャリアは、
今回の失脚で突如終わりを迎えた。しかし韓国情報当局は、今回の一件に先立ち、正恩体制になってから政権
幹部218人中約100人が交代したことも明らかにしている。父親の時代に出世した軍や党幹部の世代交代を若い
正恩氏が進めている兆しだとみられる。

 

張氏の解任は「党の独裁体制を一段と徹底する」取り組みの一環にすぎないが、北朝鮮政府の内部対立が公表
されたことで、政権内部の不安定さが増すのではないかとの懸念が韓国政府高官の間で生じている。

 

張氏の逮捕は北朝鮮の国内政策の先行きについての臆測も呼んでいる。張氏は経済に重点を置く現政権の政策
に深く関わっていたとみられているからだ。政権は3月に経済成長と核兵器開発を最優先する意向を明らかに
している。

 

世宗研究所の白鶴淳(ペク・ハクスン)主任研究委員は「張氏は正恩氏の政策実行におけるキーパーソンだった。
だが、正恩氏は潜在的反逆者にメッセージを送ることにしたのだろう。自らの時代の幕開けを望んでいるのでは
ないか」との見方を示している。



→ http://www.nikkei.com/article/DGXNASGV10002_Q3A211C1000000/


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無慈悲な攻撃の矛先は、まずは自らの権力基盤を万全にするために
身内や側近に向けられたようですな。
まさに恐怖政治、スターリン時代のソ連毛沢東時代のシナと同じ
粛清の嵐をリアルタイムで観賞出来るわけです。
未だその人物像がハッキリしない金正恩ですが、これで3代続く
恐怖政治を、北チョンの一般人民から幹部まで、我慢を強いられる
ことになります。大幹部といえども枕を高くしては寝られません。
明日は我が身に…。