アベノミクス、大丈夫か?

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日銀金融緩和 「2%」達成へ決意見せた 
黒田流の発信力を評価する



日銀が黒田東彦総裁就任後初の金融政策決定会合で量的・質的緩和を導入した。
黒田氏は会合後の記者会見で、「現時点で必要と考えられる措置は全て投じた」と語った。
2年間で物価上昇目標の2%を達成する決意を金融政策で示したことを評価したい。

 
さらに、新たな金融緩和で供給する資金量は「常識を超えて巨額だ」とも述べた。
物価目標とデフレ脱却という重い課題を達成するには、あらゆる手法を動員し、一刻の猶予も
許されないという危機感、切実感が伝わってくる。

 

≪歓迎したい「方針転換」≫

 

軸となるのは、効果を見ながら徐々に緩和を進めてきた日銀の方針の大転換だ。
氏は、それまでの日銀の緩和策を「不十分」で「量的にも質的にもさらなる緩和が必要だ」と述
べていた。その考えをかたちにしたといえる。

 

今回のメニューは多様だ。金融緩和目標を無担保コールレート翌日物金利をゼロ近くに抑える
ことから、日銀の市中への資金供給量(マネタリーベース)を昨年末の138兆円から2年間で
約2倍の270兆円まで増やすことに変更した。

 

同時に白川方明前総裁時代に金融緩和目的で国債などを買い入れるために設置された基金を廃止し、
日常の金融市場調節で使う国債購入と一本化した。

 

このほか、日銀が購入する長期国債の対象を全種類とし、「満期まで平均3年弱」から「7年程度」
に広げた。元本割れリスクのある上場投資信託不動産投資信託などの購入も大幅に増やす。

 

指摘したいのは、今回盛り込まれた施策は、黒田氏や岩田規久男副総裁が国会や記者会見などで幾度
となく、それも明確に言及していたことだ。

 

例えば、長期金利の上昇を抑える目的で、購入国債の範囲を拡大し、満期までの残存期間を限定しない
ことや、金融緩和姿勢をわかりやすくするために日常的な金融調節での国債購入と基金での国債買い入
れを統合することについて国会で発言していた。

 

このように総裁や副総裁が金融政策の狙いや具体的手法を決定前に語る例はこれまでほとんどなかった。
市場の思惑が生まれるのを防ぎ、サプライズ(驚き)効果を狙ったからだ。

 

しかし、近年のデフレ局面で、こうした手法はほとんど効果を生まなかった。それどころか、市場に日銀
の意図が浸透するまで時間がかかり、狙いが伝わる頃には、緩和効果自体が薄れることも多かった。
白川氏が常に緩和策のリスクを注意喚起していたことと相まって、市場が日銀の真意を測りかねる場面さえ
あった。

 

それが今回は、あらかじめ黒田氏らが考えられる緩和策やその狙い、効果などを積極的に語ったため、
日銀の意図や狙いが十分伝わっていたといえる。

 

≪成長戦略がより重要に≫

 

緩和策が、事前の発言から大きく踏み込んだものではなかったにもかかわらず、株価は上昇した。
国債も値上がりして長期金利が過去最低水準まで低下するなど市場が好感したのは、黒田日銀の「市場との
対話戦術」が奏功したといってよいだろう。

 

もちろん、毎回こうした手法が有効とは限らない。ただ、今回のような新体制発足直後はさまざまな思惑が
生じ、市場の波乱要因となりかねないだけに、事前の情報発信には大きな意義があった。

 

黒田日銀は順調に船出したといってよい。今後、物価上昇目標達成に向けて日銀がどんなシナリオを描くのか、
早急に国民に示し、逐次検証していく必要がある。

 

強調したいのは日銀の積極緩和姿勢が際立つだけに、政府の役割が一段と重要になっている点だ。
日本経済はアベノミクス効果や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加表明などで景気回復期待が
高まっている。

 

しかし、それも、まだ円安、株高といった市場頼みの域を脱していない。今月1日に公表された日銀企業短期
経済観測調査(3月短観)で大企業製造業の設備投資計画が前年度比マイナス、鉱工業生産は早くも一服感が
出ている。

 

実体経済への波及の遅れを解消するには、民間需要を掘り起こし、企業の国際競争力そのものを強化するしかない。
そのカギとなるのは、やはり政府が策定を進めている成長戦略である。



→ http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130405/fnc13040503260000-n1.htm



>資金供給量(マネタリーベース)を昨年末の138兆円から2年間で
>約2倍の270兆円まで増
だそうですが、今のところは株式、ゴルフ場会員権に不動産などの投機
資産対象に資金が向かっていますが、この緩和されたお金が市民に渡り消費
を刺激するのは何か無理があるような気がしてなりません。
また、日銀の国債買入も節度をもって臨むべきです。
日本銀行券を発行する日銀が国債を大量に買い続ければ、まさに日本経済
と日銀を麻薬中毒患者に仕立てることになりかねません。
長期金利も0.425%と、0.5%を割ってしまいました。
年金生活者には打撃です。
またTTPには絶対反対です。
公安・軍事・農業は赤字でも守らなければなりません。