「壁」「砂の女」などで知られる作家の安部公房(1924〜93年)が、満州(現中国東北部)
から日本に帰国する引き揚げ船で書いたとみられる22歳の時の短編「天使」が、北海道の実弟宅
から見つかった。
きょう7日発売の「新潮」12月号に掲載される。
A5判のノート37ページにわたり、ペンで縦書きされていた。日付の記載はないが、安部は
1946年11月5日の手紙に<船の中から、「天使の国」と言ふ短編を書き始めてゐる>と記しており、
時期を推測できる。入院した精神科病院を抜けだし、人間を天使だと思い込む妄想を抱く男を主人公
にした不条理な作品だ。
作中には、主人公が病室を見て、<固い冷い壁だと思っていたものが、実は無限そのもの>であったと
語る場面もある。満州で育ち、終戦時の大混乱と故郷喪失を体験した安部は、芥川賞受賞作
「壁――S・カルマ氏の犯罪」など無機質な壁をイメージした作品を残した。そのモチーフが、デビュー前
からあったことが分かる。
→ http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20121107-OYT1T00179.htm?from=ylist
安部公房ファン必見ですね。
私が安部公房ファンになったのは、フランツ・カフカを読んだ後
でしたので、日本にもこんな作家がいたのか!と衝撃を受けた気
がします。
長編もいいですけど、短編も読まなきゃ損ですよ。
安部公房入門として短編集をご紹介します。
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