買い手不在の理由

競馬


『T−山本の短機損機』─買い手不在の本当の理由は


 ギリシャの再選挙で緊縮派の新民主主義党(ND)が勝利し、今日の株式市
場は大きく戻しました。投票前から各国中銀が追加刺激策を講じるとの観測が
流れており、先週末のNY市場も大きく上げていましたが、とりあえず一安心
というところでしょうか。ギリシャ国民はユーロに留まることを選択したわけ
ですが、緊縮策を受け入れ続けることが果たして可能なのか疑問が残ります。
スペインの問題もあり、欧州からはまだまだ目が離せそうにありません。


 さて、今朝の日経電子版に「安値放置の日本株、買い手不在の寂しい現実」
という記事が掲載されていました。証券会社のストラテジストが欧州の機関投
資家を訪問した際に、成長性でも割安感でも日本株は買えないとの結論に達し
たそうです。国内の機関投資家個人投資家の買い余力が乏しい上に、頼みの
綱の海外投資家が日本株を買う理由が見当たらないというのであればお先真っ
暗な気分にさせられます。


 上記ストラテジストは「配当利回り」が日本株を買う最後の理由と結論付け
たそうですが、国内経済のデフレ状況が続く限り、あまり説得力のある話では
ないように思われます。昨日の日経朝刊「商社大手、配当利回り5%前後に上
昇」の中で、最高益でも株価は低迷しており、その理由として商社株は資源株
との見方を挙げていましたが、各社とも非資源のウエイトを高めており(住友
商事は8割)、PER5倍台に放置されているのは何とも理不尽に思われてなり
ません。


 1〜3月にかけて海外投資家が日本株を買った最大の理由は、「財政再建、脱
デフレに向けた政府・日銀の本気の取り組み」を評価したことにあるでしょう。
社会保障に問題を残す点が多いものの、消費増税の3党合意が成ったことで法
案成立に大きく前進しました。決められない政治からの脱却が実現すれば、日
経平均1万円台回復はもとより、上記商社株などは株価が2倍になってもおかし
くないかもしれません。


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