ホントなら涙ものです

競馬


発見された携帯電話に残っていたメールです。
どんな思いで、だいすきなお父さんへメールを打ったのか。



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もう一つ、母親編です。


「母へささげる私の誕生日」
先月29日は私の誕生日だった。
去年は、チョコレートシフォンケーキを用意して待ってくれていた母に私は、
「えーっ、バニラのほうが好きなのに」。目も悪く、体が丈夫でない母が
一生懸命歩いて探してきてくれたのに、わがままな私は、いつも「えーっ」と言ってばかり。  
本好きな私のために図書券を用意してくれた時も、「こんな年で誕生日に図書券って、やだね」
なんて言ったこともあった。


でも今年になって初めて分かった。誕生日は自分のためにあるんじゃない。
産んでくれた母に「ありがとう」と感謝する日なのだと。


母は3月の震災で逝った。迫りくる波を背にしながら、私の娘を車に押し込み、「生きろ」「バンザイ」と
叫んで流されていった。そう後から聞かされた。
母に誕生日の報告をするため、携帯電話にある「ババ」の番号にかけた。そして、大きな声で言った。
「お母さん、産んでくれて本当にありがとう」


(読売新聞 ぷらざ より)