有り体に言えばギリシャの「借りた者勝ち」になっている
ヘアカット交渉 倦怠ムード蔓延のウォール街
ギリシャの債務再編交渉が前進しているのか後ずさりしているのか朦朧としてわからない展開に
なっています。
しかしこの材料がマーケットに与えるインパクトは以前に比べるとずっと弱くなりました。
その理由は仮に話し合いがまとまっても当事者の犠牲が大きいので少しも嬉しくないからです。
ギリシャ国債を保有しているのは民間銀行と欧州中央銀行です。
このうち民間銀行の保有分に関しては債務の減免が話し合われています。
債務の減免は別名、ヘアカットと言われます。
ギリシャに借金の返済能力が無いので、額面100に対して30%から35%程度を返済すれば、
後は許してあげようというわけです。
そして償還が来るギリシャ国債の借り換えに際しては3.5%程度の金利で、より長期の国債に
乗り換えることをドイツとIMFは望んでいると言われています。
つまりギリシャにお金を貸した民間銀行の立場からすればお金が満額戻ってこない上に、市場の
実勢金利より遥かに低い金利で継続融資を強いられるわけです。
これほど割に合わない話はありません。
→ http://blogos.com/article/30276/?axis=p:5
紙屑と化したドラクマ
借りたもの勝ちだそうですが、これでギリシャは信用という
金では買えない大切なものを失います。
信用失墜を挽回するのは、並大抵のことではありません。
ペリクレスが今のギリシャを見たら、何て言うでしょうかね。