海洋安保強化への布石 中国「真珠の首飾り」に
「ダイヤのネックレス」戦略で対抗
日印共同プロジェクト「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」の推進は、海洋安全保障での
日印関係強化への布石といえ意義は大きい。
日米はアジア有数の海軍国家・インドの「ダイヤのネックレス」戦略を後押しすることで、
中国の海洋権益拡大にくさびを打ち込む。
日米は6月の安全保障協議委員会(2プラス2)合意でインドとの協力強化を明記。
海洋での中国包囲網にインドを組み込むことを両国の共通課題に位置づけた。
今月19日にはワシントンで初の日米印3カ国高官協議を開き、海洋安保を中心議題に据える。
背景には、重要な海上交通路(シーレーン)であるインド洋で、中国が艦艇を展開させる拠点
としてミャンマーやパキスタンなどで港湾建設を進める「真珠の首飾り」戦略を進めている
ことがある。中国国防省は12日、アフリカ東部沖のセーシェルを海軍の燃料補給などの中継地
として検討していると明らかにした。
これにインドが対抗策として講じたのが、アフリカ東部や東南アジア諸国と連携を強める
「ダイヤのネックレス」戦略だ。オーストラリア北部への海兵隊駐留を決め、インド洋での対中
シフトにかじを切った米国の戦略とも合致する。
日本の対インド支援は、米印の海洋戦略を同じ方向に向かわせるための下支えが狙いだ。
ダイヤのネックレス戦略と足並みをそろえるように11月の日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)
首脳会議でASEAN各国の「連結性」強化に向け、2兆円規模の事業支援方針を表明したのも、
この戦略の一環だといえる。
道路・港湾整備を進め、陸と海を「回廊」でつなぐことでASEAN各国の利害を一致させ、
中国を封じ込める狙いがある。
→ http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111216/plc11121601380002-n1.htm