世界を巻き込む危険な賭け

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ギリシャが世界経済を人質に G20も機能不全


ギリシャが世界を翻弄している。
国民投票で同国への支援策の是非だけでなく、ユーロに残留するか、離脱するかの選択を問う
決意を示していたパパンドレウ首相の辞任が浮上し、投票が見送られる可能性も出てきた。
不測の国民投票で離脱が現実となれば、ギリシャ発の世界金融恐慌に発展する恐れがある。
3日開幕したG20も、ギリシャの動向を見守るしかなく、機能不全状態に陥っている。

 
■危険な賭け
「ルールを守れないならユーロ圏を去らなければならない」
サルコジ仏大統領は、パパンドレウ首相との会談後の会見で、語気を強めた。
並んで会見したメルケル独首相も、「ギリシャとともに単一通貨ユーロの安定を成し遂げたい
のはやまやまだが、ユーロの安定こそが何よりの優先課題だ」と、苦渋の表情をみせた。

 
独仏首相はギリシャを説得できず、ギリシャのユーロ離脱という最悪のシナリオを想定せざるを
得ない状況に追い込まれた。

 
だが、会談後に「国民は賢明な選択をすると信じている」と語り、投票の結果に自信を示していた
パパンドレウ首相は3日になると、辞任が避けられない状況となった。
与党や閣僚から国民投票への批判が一段と高まり、4日に行われる内閣信任案の採決で与党議員が
2人以上が造反し、否決される可能性が高まっているためだ。

 
ギリシャの世論は、59%が支援策に反対する一方で、73%がユーロ残留を望んでいるが、
国民投票にかけることは、あまりにも「危険な賭け」だ。

 
大衆紙は、ギリシャを「EUの頭部に銃を突きつける腐敗国家」と断じた。


ドラクマ復活
ギリシャがユーロを離脱すれば何が起きるのか。ギリシャは12月中旬までに60億〜80億ユーロの
国債償還を控えるが、凍結された80億ユーロのつなぎ融資は実行されず、「無秩序なデフォルト
債務不履行)」が避けられなくなる。

 
ギリシャは旧通貨のドラクマに戻るが、信用失墜で暴落は必至。
現在、ユーロ建てのギリシャの借金は、ドラクマ建てになれば何倍にも膨れあがる。
輸入物価も上昇しインフレが国民生活を圧迫。
信用不安による取り付けで、政府は預金の引き出し制限を迫られ、企業は連鎖倒産に追い込まれる。
スイス大手金融UBSは、離脱によって、初年度だけでギリシャ国内総生産(GDP)の4〜5割が
失われると試算する。

 
影響はギリシャ国内にとどまらない。「ギリシャの次の離脱国」として標的にされたイタリアやスペインの
国債が一斉に売られる。国債暴落が銀行の経営を直撃し、巨額の焦げ付きで連鎖破綻に追い込まれ、
「世界金融恐慌」に発展しかねない。

 
■G20機能不全
ギリシャ国民投票を撤回したとしても、支援策受け入れで国内をまとめることができるかは不透明だ。
首相の辞任すれば、政治混乱で、包括対策の実施が大きく遅れるのは避けられない。

 
開幕したG20会議では、EUが包括対策を報告し、各国から協力を取り付ける計画だった。
だが、ギリシャの突然の国民投票計画によって、包括対策は実効性を伴わないものとなり、EUは国際社会
との「約束」を破ることになった。
G20としても、有効な政策協調を打ち出すのは困難な状況で、危機を前に手をこまねくしかないのが実情だ。

 
混迷を深める世界経済は、国としてはG20に加盟していないギリシャにその命運を握られている。


→ http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111103/fnc11110321080007-n1.htm


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まぁ現首相が退陣して、次期政権でユーロ諸国の緊縮財政等の
提案を呑み込んで、ユーロ圏内に残るしかないでしょう。