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焦る中国投資家…不動産たたき売りでマネー逆流



香港の不動産市場で中国本土の投資家による物件売却が相次いで伝わっている。
世界中に流れ出ていた中国のホットマネーは、国内で高まる新たな金融危機を背景に
逆流する兆しを見せ始めたようだ。(フジサンケイビジネスアイ

 
10月1日の国慶節(建国記念日)に伴う中国の大型連休。
例年であれば観光を兼ねて訪れる中国本土の投資家でにぎわうはずの香港の不動産市場だが、
今年はやや趣が異なった。


高利貸の需要急増


欧米発の金融危機や中国の金融引き締め策など投資環境に不透明感が強まるなか、中国本土
投資家の投資意欲にも影が差した。
香港のある大手不動産仲介会社トップは中国メディア・騰訊に対し、「連休中に不動産物色
のために香港を訪れた中国本土の客数は、前年同期比で約4〜5割減った」と指摘。
特に“温州商人”の減少が目立ったと話す。

 
温州商人とは、浙江省温州市の商人を指す。早くから民間資本が形成された同地の商人は、
豊かな財力や商才、旺盛な投資意欲が故に「中国のユダヤ人」とも称される。
ここ数年間、世界各地で不動産や株式などへ積極的に資金を投じ、その豪快な投資行動が注目を
集めてきた。

 
この中国投資家の代表格とも言える温州商人が、香港で保有する不動産の売却を急いでいる。
香港経済日報によると、長期投資目的で賃貸用に購入した住宅物件を売りに出す温州商人が続出。
「価格を下げたり、損切りしてでも売り出す温州商人が少なくない」(香港の不動産仲介大手)という。


温州商人が物件を売り急ぐ背景には、地元の温州市で高まる“債務危機”がある。

 
中小の民営企業が多い同市では、当局の融資抑制方針で銀行から資金を調達できない企業が増え、
民間の高利貸の需要が急速に膨らんだ。

 
高利に引かれて本業の事業資金を高利貸に投じる企業や転貸融資を行う個人投資家も続出。
中国メディアが報じた中国人民銀行中央銀行)温州市支店の今年7月発表の報告書によると、
市内の家庭・個人の約9割、企業の約6割が民間融資に関与する状況となっている。


経営者失踪相次ぐ


こうした高利貸の金利は高いもので年利100%を超える。
世界的な景気低迷で経営環境に逆風が強まるなか、借り手である企業の資金繰りが悪化すれば、
大きな債務危機に発展しかねない。毎日経済新聞が引用した仏系証券会社CLSAのリポートによると、
温州市の民間融資の未償還残高は8000億〜1兆元(約9兆6000億〜12兆円)に達しており、
うち10〜15%が年内に不良債権化する見通しという。

 
借金返済に窮した企業経営者の失踪も9月以降に急増するなど、同市では債務危機勃発の兆候が出始めた。
同市にとどまらず、上海市近郊や福建省内モンゴル自治区などでも経営者の失踪が伝わっており、
危機拡散の気配もちらつく。

 
香港で不動産を売り急ぐ温州商人たちの行く末はどうなるのか。
中国の景気拡大局面で注目された彼らの動向が、いま新たに関心を集めている。


→ http://sankei.jp.msn.com/world/news/111013/chn11101308310001-n1.htm



中国本土の投資家が投機対象としてきた香港セントラル地区の高層ビル群