英語圏の総合科学誌「ネイチャー」の福島原発事故Q&Aの日本語訳
今日、米国東海岸時間で11時頃から、英米で主に編集されてる(出版は英国)総合科学誌の「ネイチャー」が、
オンラインで福島原発事故に関するQ&Aを行いました。
「ネイチャー」誌は、事故発生当時から、ブログやオンラインの紙面で、事故そのものや、それに関する現地
測定のデータ、さまざまな国のさまざまな機関によるモデル試算の結果、日本や国際の関連機関のプレスリリース
などを、地道に報道してきました。それらは、ここにまとめられています。
「ネイチャー」誌は、事故当初から、「総合科学誌」としての立場から、客観的に、刻々とレポートされてくる
数値と過去の例(チェルノブイリなど)に基づく報道や社説を出してきています。
記事は、科学に基づいてはいますが、科学者のためだけではなく、一般の人のために書かれています。
このQ&Aは、「ネイチャー」側が読者の質問に答えているわけですが、質問はモデレーターにチェックされてから
チャットに出てくるようになっていたので、筋の通った、読みやすいQ&Aになっています。
原文のチャットは、ここです。
Q&Aの訳(Part 1)
Brian Owens: こんにちは。福島原発の事故のQ&Aへようこそ。University of Portsmouthの環境物理学者のJim Smithと、
Nature誌の自然科学論説員のGeoff Brumfielが皆さんの質問に答えます。
BO: さっそく始めましょう。まず、お嬢さんが日本で留学してる人と、あと、韓国へ行く予定の人から、
日本への渡航の安全についての質問が来てます。
JS: 日本以外の国への渡航には、放射線によるリスクはありません。飛行中に宇宙線から受ける放射線のほうが、
福島のせいによる放射線より高いでしょう。日本国内そのものでも、福島からの放射線をあびてしまうというリスクは
かなり低いです。なぜかというと、(1)放射能汚染された食べ物は、流通ストップされてる、(2)40-50キロメートル
より外の地域では、福島原発から飛んできた放射線物質はごくわずか、(3)水系に混ざっている放射性のヨウ素は
さっさと崩壊していて、あと数週間で事実上なしになります。
というわけで、わたしとしては、放射線よりは、震災と原発事故によるインフラやサービスが滞っていることや、
人々が普通の心理状態じゃない、ということのほうが、日本への渡航の際には問題になってくると思います。
以下(略)
http://yokofurukawa.wordpress.com/2011/04/06/