力で奪い返してみろ!

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ロシアとの喧嘩はこうやれ 元反ソ闘士の指南



前原誠司外相の12日までのロシア訪問で、ロシア側は北方領土をめぐる強硬な立場を改めて示した。
前原外相には、今後も日本国の立場を正々堂々と訴える気骨を持ち続けてほしい。
リトアニア旧ソ連からの独立運動を指導したランズベルギス欧州議員(78)は、1月のインタビューで
「(北方領土返還を)要求する権利は日本にある」「日本がロシアを恐れる根拠は全くない」と語っていた。
1月25日付の産経新聞が掲載したランズベルギス氏の発言要旨を紹介する。



ロシア帝国主義
 

ソ連はこの20年間、地政学上は存在しないように見えるが、政治文化の点では部分的に残存している。
ロシアは植民地の喪失を受け入れられずにいる帝国であり、頭の中は帝国のままだ。
ロシアは政治、経済、軍事の面で“パートナー”を従属させようとしており、これ自体が「ロシアの脅威」だ。

 

ロシアはリトアニアに対する懲罰として、2006年から石油パイプラインを閉鎖したままであり、欧州で
最も高い価格の天然ガスをわが国に売っている。
ロシアは資源を政治的武器として使っており、わが国はロシアへのエネルギー依存から脱する道を真剣に
探っているところだ。


日本も脅迫
 

軍事的脅威も現存する。
リトアニア北大西洋条約機構NATO)の加盟国であるにもかかわらず、わが国の国境付近でのロシアの
軍事行動はたいへん活発だ。
隣接するロシアの飛び地、カリーニングラード州には不均衡かつ不適切な軍事力が配備されている。

 
ロシアは07年、やはりNATO加盟国であるエストニアに国家の全コミュニケーション手段を錯乱させる
サイバー攻撃を試し、それを08年のグルジア紛争でも実践した。
新しい形態の武器がNATO加盟国に対して使われており、われわれにはこの面での安全保障も重要だ。

 
また、ロシアは近隣国の反発を押し切り、フランスの著名なミストラル強襲揚陸艦4隻を手に入れようと
している(昨年12月に露仏が共同建造で合意)。
これは防衛兵器ではなく、沿岸国に対するたいへんな攻撃兵器だ。
周辺国の頭にけん銃を突きつけながら経済や政治の交渉をするために、ロシアはこうした兵器を欲しがって
いたのだ。

 

ミストラル級の1隻は北方領土向けとされており、彼らはバルト諸国やグルジアのみならず日本も脅さねば
ならないと考えているのだろう。


日本は自尊心を
 

友人や対等のパートナーは必要なく、自国が恐れられていなければならないというのがロシアの価値観だ。
ロシアに対しては自らの尊厳をもって向き合わねばならない。
小国には懲罰を受ける懸念からそれが難しいが、日本がロシアを恐れる根拠は全くない。

 
1991年1月にソ連リトアニアに武力介入した「血の日曜日事件」の後、アイスランドは真っ先に
リトアニアの独立回復を承認した。この時のアイスランドですら、ロシア(ソ連)を恐れなかったのだ。

 
日本には(北方領土の返還を)要求する権利があり、ロシアには力がある。2つの“文明”、考え方の対立だ。
リトアニアのケース(ソ連に対する独立回復要求)でもそうだった。
ソ連指導部は我々に権利があると理解はしていたが、力が彼らの側にあった。

 
領土問題はロシアの思考(回路)が変わる時、ロシアが小さな島々よりも日本と協力する利益を評価するように
なった時に解決するだろう。どれだけの時間がかかるかは分からない。


→ http://sankei.jp.msn.com/world/news/110213/erp11021314550005-n1.htm


陸続きのロシア周辺諸国は、歴史的に常にソ連・ロシアの軍事的脅威に
さらされてきましたね。 ロシアという国家・国民を透徹によく観ています。
このランズベルギス氏の対ロシア観は、ロシアの姿そのものを語っています。
そう、隣国への脅しで外交的・経済的に優位に立とうとするその姿は
余りに時代遅れな気がしますが、現実的に脅威を感じさせ自国に有利に物事を
運ぼうとする政策と取るのがロシアという国ですね。
ロシアの歴史は比較的浅く、大した文化もなく、西欧人からは蛮族扱いをされた
コンプレックスの裏返しのような国民感情があるようですね。
ロシアはその国の成り立ち・経緯からして、領土というものは力ずくで奪い、
収奪するのが“基本原理”としてあります。
力で奪ったものなら、理(ことわり)ではなく、力で奪い返してみろ、
ということなのでしょう。 何とも厄介な隣人ですな。