2011 クラシック路線展望

競馬

新年展望(上)3歳に女傑誕生の予感
また女の時代か


昨年の中央競馬は4歳牝馬ブエナビスタ天皇賞・秋を制し、ジャパンカップでは
2着入線のローズキングダム(3歳牡馬)の進路を妨害したとして2着降着の処分を
受けはしたが、ローズに0秒3の2馬身差をつけて1着入線している。
2010年の3歳馬の能力は高いとされるが、1歳年長の牝馬に実力差を見せつけ
られている。
今年の古馬戦線は牝馬がリードしているようだが、3歳世代は“牝高牡低”の勢力図
を覆すことができるか。(松本恵司)

 
女傑誕生の予感

 
昨年12月に行われた2歳女王を決める阪神ジュベナイルフィリーズ(GI、芝1600
メートル)では単勝1・6倍の1番人気に支持されたレーヴディソールが、直線のコース
外側で長く良い脚を使って強い勝ち方をみせた。
3戦無敗での制覇は牝馬限定となった1991年以来7頭目
阪神コースが改修された2006年以降の勝ち馬は、ウオッカ(ダービー)、トールポピー
オークス)、ブエナビスタ桜花賞オークス)、アパパネ桜花賞オークス)と
いずれも翌年のクラシックを制している。

 
明るい展望の開けるレーヴティソールに、管理する松田博調教師は「ブエナのようになって
くれれば」と同じく管理する“女傑”の名前を挙げて期待感を募らせた。
手綱を取った福永騎手も「まだ荒削りな面がある中で、これだけの競馬ができる。すごい
ところまで連れていってくれそうです。
力のある馬に巡り合えたので、これからは1つも取りこぼすことなく勝っていきたい」と
早くも今年のクラシック戦線を見据える。


まだいる名牝候補

 
07年阪神JF、08年オークスの勝ち馬トールポピーを全姉に持つ良血馬アヴェンチュラ
3番人気に支持された阪神JFで、後方から上がり34秒1と2番目に速いタイムでレーヴ
に迫ったが、0秒4差の4着に終わった。
「ゲートに入ってから我慢できなくなって立ち遅れる感じになった」と和田騎手。
気性の幼さを露呈した敗北だっただけに、どこまで精神的に成長するかに馬券の取捨がかかる。
一流血統だけに期待したい。

 
残念だったのが、阪神JF9着に沈んだ2番人気のダンスファンタジア
母はGI2勝のダンスインザムード、おばにGI2勝のダンスパートナーがいる良血なのだが…。
パドックから入れ込み、スタートで致命的な出遅れをしては仕方のないところがある。
序盤から引っかかり、とてもレースにならなかった。
武豊騎手をして「これだけかかるとどうしようもない」と落胆させた。

 
気性的に難しい馬には名馬も多いだけに、3歳になってどれだけ精神的な成長をみせられるか。
早熟ではなく、徐々に成長していくタイプならクラシック戦線に期待も持てる。
人気を背負う可能性もあると予想させるだけに、巻き返してほしいところだ。

 
期待通り、阪神JFで結果を残したのが4番人気のホエールキャプチャ
上がり34秒1と2番目に速い末脚を発揮して2着に食い込んだ。
前走のファンタジーSで出遅れながら34秒6の末脚でハナ+ハナ差の3着に粘った地力を発揮した。
「これから成長してもらって逆転できれば」と、池添騎手はレーヴにも勝てる素材と期待する。

 
牡馬も多士済々

 
一方の牡馬。
2歳馬のナンバーワンを決める朝日杯フューチュリティステークス(GI、芝1600メートル)
で1・9倍の1番人気と最も評価の高かったのがサダムパテック
フジキセキ産駒だが、牡馬としては格安といえる1200万円で落札された。
期待度は高くなかったが、徐々に才能を開花。デビュー戦では出遅れが響いて2着と勝ち上がれ
なかったが、上がり33秒5の豪脚を発揮した。
前走の東スポ杯2歳Sでも33秒7の末脚を発揮、2着に3馬身1/2差をつけて見事2連勝。
レース後も疲れをみせることなく、潜在能力の高さが評価された。
ただ、鍵だったスタートで出遅れた朝日杯FSではゴール前の混戦で一歩及ばず4着に敗れた。
それでも勝ったグランプリボスに0秒2差に粘り、3歳戦線をリードする一頭と期待させた。

 
阪神JFでは好結果を残せなかったディープインパクト産駒だが、朝日杯ではリベルタス
(2番人気)、リアルインパクト(4番人気)の2頭の評判が高かった。

 
母が仏オークスカーリングのリベルタスは、育成中にディープ産駒でトップクラスの評価を
得ていた。朝日杯の前走・千両賞では34秒1の末脚で直線抜け出して優勝。
「まだ完成されていない状態だが、素材がいいのは間違いない」と陣営は期待感を募らせた。
朝日杯では0秒1差の3着。
2着に首差と、差のない展開で、血統的には距離が伸びても対応できそうなだけに、3歳路線で
注目していい。


デビュー戦で2着に3馬身差をつけて快勝したリアルインパクト
早くも2戦目でGII京王杯2歳Sに挑戦。結果は0秒1差の2着。
33秒5の末脚で迫ったが、手負け気味のうえ最後の直線で前がふさがれる形だっただけに
上出来と陣営は考えており、潜在能力の高さと評価する。
朝日杯ではゴール前の混戦で内側に粘り、3/4馬身差の2着に流れ込んだ。

 
今年も牝馬優勢?

 
朝日杯で上がり34秒5と最も速い脚を使って勝ったグランプリボスの父は1200メートル戦で
7戦6勝の成績を残したサクラバクシンオー
血統的にクラシック戦線は苦しいかもしれない。
矢作調教師は「血統や適性から、皐月賞出走は考えず、NHKマイルカップを目標にしたい」と
マイル路線を歩ませる意向を語っている。

 
1番人気のレーヴディソールが勝った阪神JFに比べ、5番人気のグランプリボスが人気馬をなで
切りした朝日杯の出走メンバーを見る限りでは、今年も牝馬優勢の予感がする。
牝馬レーヴティソールが、ウオッカダイワスカーレットブエナビスタと続いてきた
「牡馬を脅かす牝馬列伝」に加われるかが見ものだ。



→ http://sankei.jp.msn.com/sports/race/110103/rac1101030702000-n1.htm


さて、明後日には競馬人間にとっての「元旦」に当たる、中山金杯京都金杯
が行われます。 古馬のG3・ハンデ戦だけに堅い時は堅いのですが、荒れる
時は当然の如く馬券は藻屑となって、涙のゴミ箱行きとなります。
金杯で乾杯!” といきたいものですが・・・。
さて、今日の産経ウエブでは明け3歳のクラシック路線の展望する記事が
掲載されていました。 流石、俺たちの“サンケイ”です(笑)。
3歳牡馬チャンピオンのグランプリボスがNHKマイルカップへの路線を
進むことにより、それ以外の馬達による牡馬クラシック路線の闘いになります。
個人的には、中山は兎も角、府中であればサダムパテックが一歩リードと
観ています。 ただ中山の千六ではなく二千なら多少の出遅れでも何とか
なるかもしれません。
後は、ディープインパクト産駒の良血馬たちに目が行きますね。
牝馬路線では、阪神JFでの勝ち時計は兎も角、レーヴディソール桜花賞
ほぼ確実といってよいでしょう。
スローペースの中を中団後方を進み、上がり33.9で差し切った末脚は
他馬とは力の違いを見せ付けた一戦でした。
ライバルと目されたダンスファンタジアは、何たって藤沢和雄厩舎の管理馬
ですので、桜花賞・母娘制覇のために秘策と調教を重ねていくでしょう。
牝馬路線では、まだ出走していない馬の中にも、素質馬がいます。
新馬→重賞(TR他)→桜花賞と、クラシックへの扉へはまだ間に合います。
牝馬路線も十分に楽しめそうですね。



今年復活するJRAブランド広告「最後の10完歩」です。
競馬史上、最高のCMと思っています。
人馬一体となった感動の短編物語を観ているようです。
涙腺すら刺激されてしまう感動のCMですね。