日曜競馬 回顧

競馬


[第139回 天皇賞(春)G1]

大逃宣言を主張したテイエムプリキュアが控え気味に進み、
同脚質のホクトスルタンも一時はハナを主張するも
結局は、10歳馬・シルクフェイマスが先手を取ってマイペースに。
最初の千米:60.2
中盤の千米:62.5
最後の千二米:71.7(1.11.7)
良発表とは雖も、まだ水分が残るソフトな馬場を考慮すれば、
前半千米の60.2は平均ペース以上でしょう。



中盤は中弛があっても、上がりが35.1(12.7 - 12.2 - 11.7 - 11.8 - 11.3 - 12.0)
展開もありますが、馬の底力(スピードとスタミナ)が試された結果になりました。
少し可哀想(?)だったのが、1番人気のアサクサキングス
2番人気のスクリーンヒーローでしたかね。
人気を背負っただけに、勝ちに行く競馬を強いられて、
このペースで2周目の3コーナーでは、すでに両馬は2〜3番手に進出。
結果、早仕掛けが響いて直線では馬群に沈みましたね。


結果はどうあれ、確りとした先行馬がレースを引っ張ると、
レース自体がレヴェルが上がり、締まりますよね。


アルナスライン蛯名正義騎手は、これ以上ないほどの好騎乗でした。
アサクサキングスをマークしつつも、早仕掛けに付き合うこともなく
じっくりとこの馬の競馬をさせましたね。
4コーナーを周って直線半場では勝利を確信しましたもん。
「キタァーーーッ! それ見ろ、ヤッタぜッ!」
が、インからマイネル勝負服の白帽子が伸びてきたときには
「シマッタ!」
というのが偽らざる心境でしたね。


マイネルキッツは前走の日経賞(中山二千五百)では 2.31.3 と
勝ったアルナスラインと0.1(3/4馬身)差の僅差の2着です。
時計もストレートに比較はできませんが、例年の有馬記念よりも
早い好時計ですね。
アルナスラインを◎にするなら、マイネルキッツも少なくても△程度には
評価して馬連の相手に加えるべきでした。
いや、荒れると踏んでネヴァブションまでも買ったワケですから
マイネルキッツも買おうと思いきや
それを阻止したのがジンクスです。過去の淀で行われた天皇賞では
「京都芝コース未経験馬は2着にも来ない」
という、これまでの経験則ですね。
そう、マイネルキッツは京都・芝は未経験でした。
てか、これが最初の関西圏での競馬でしたね。
道中は、ジッとインを淡々とロスなく進み、直線でもインから伸びました。
アルナスラインとの差は、位置取りの差かもしれませんね。
とはいえ、自力強化は目覚ましいほどです。 マグレじゃありませんね。
あと、国枝調教師が、GW渋滞を避けるために早めに栗東に入厩させるなど
スタッフの仕事ぶりも本気だったようです。
京都芝未経験? じゃ何故、同じ未経験のスクリーンヒーローは買ったの?
それは、スクリーンヒーローはG1馬だからですね。


アサクサキングススクリーンヒーローは、多少無理はしても、自分の競馬をしつつ
かつ、人気を背負っての勝ちに行く競馬をしたのが、アダになりましたね。
アサクサキングスは、やはり前2走の激走の疲れも出たのかもしれません。
3着のドリームジャーニーも、自分の競馬に徹しても、少し仕掛けが遅れたような
気がしますね。 全然惜しくない3着ですから。
4着のサンライズマックスは、今後の活躍が楽しみになりました。


戦前は低調な面子と揶揄されましたが、古馬のガチンコ勝負らしく、
伝統と格式を誇る天皇賞(G1)の名に恥じることのない、いい競馬でした。