『不況で捨てられるペット、施設は満員状態 英国』
生後13週間のボーダーコリーの隣には、ボクサー系の子犬8匹。
ロンドン市内の里親センターには、飼い主に捨てられたペットが
ずらりと並ぶ。
不況に圧迫される家計を反映して、施設は満員状態だ。
センターを運営するのは、英国最大の犬の愛護団体ドッグズ・トラスト。
「去年のこの時期に収容していた犬の数は半分くらい。今は出ていく犬より入ってくるほうが断然多い」と、
所長のリチャード・ムーアさんは語る。
ペットが捨てられる理由の中で最も多いのは、飼い主の引越しだという。
経済危機の波をかぶり、ペット禁止のアパートなどに移らざるを得ないケースが急増している。
また、職を失ってペットを飼う経済的余裕がなくなったという訴えも多い。
ドッグズ・トラストによれば、犬一匹を飼うには保険やえさ、トリミング、おもちゃなどに
平均約200万円余りの費用がかかる。
愛犬との別れを強いられる家庭が増えるとともに、引き取りを希望する家庭は減少し、
需給バランスは崩れる一方だ。
各地の里親センターや保護施設は、どこもパンク寸前の状態だという。
これからの時期は、クリスマスに贈られたペットを「育てられない」と託してくる
飼い主が続出することも予想される。
さらに、失業や減収の結果、ドッグズ・トラストのような慈善団体への寄付を控える人々も
増える傾向にあり、センター運営への影響が懸念されている。
ムーアさんは「こんな時世だからこそ、ペットが慰めになってくれる。
私自身も6匹の犬を飼っているおかげで、夜帰宅した時、自然と笑顔になれます」と、
里親募集の呼び掛けに力を込めている。
→ http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200812220014.html
- 作者: 渡辺眞子,服部貴康
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